障子糊が如く

ネクロマンサー18

ネクロマンサー18

乱暴にグラスに水を注ぎ、今度はゆっくりと口に水を含むセイン。

ユートはセインの言葉を聞き、渋々と椅子に腰掛けた。

「ではどうして……」

羅刹はそこまで言いかけて三人を見つめた。セインはグラスの水を勢いよく飲み干し、ユートはただ俯いている。サンの視線は宙に彷徨っており、不安なのが一目でわかる。

「……だが、それは個人的見解だ。あくまで……な……」

セインの言葉に今度は羅刹が眉を僅かに動かした。

グラスをテーブルにそっと置き、腕組みをしながら尋ねる。

「では、君達の個人的見解ではない意見を聞かせてもらおうか?」

「まず紹介しておこう。俺の名はセイン。俺の隣りに座っているのは精霊使い、名をユートと言う。ユートの隣りに座っている女性がユートの精霊サンだ」

ユートとサンは椅子に座ったまま軽く会釈をした。

今度は三人の名を聞いた羅刹が眉を寄せた。

ユート・クリエンス。魔法士であり、精霊使いである男。その魔法士としての能力は軍でも一目置かれている男だ。その隣りに座っている女性は噂に名高い『陽光の精霊』サン。

防御型の精霊であり、あの『浄化の日』の災厄も彼女の結界で助かった者は数知れず、と言われる程強力な精霊だ。

そして、その二人と共に行動している、黒い剣を扱う者。

かつての神官の血縁者と言われる騎士、セイン・バーナード。

数多の農民反乱、街同士の抗争を最小限の犠牲で収め、その名は大陸中に広まっており、彼の実力は軍でも五指に入るとまで噂されている人物だ。

「羅刹さん、でしたね。あなたはこの街をどう思いますか?」

ユートは羅刹の瞳を射抜くように語り掛ける。

「豊かな街だな。一言で言うならば」

「・・・・・豊か過ぎる、と僕は思いますよ」

噛んで含めるようにユートははっきりとした口調で言った。

「過ぎる、とは?」

「……ここにはたくさんの人々が『死霊使い』の噂を聞きつけてやって来る……人々が集まりだせばそこは街を形勢し、発展していく……」

「…………」

羅刹は無言でユートの言葉に耳を傾けている。

「街が大きくなればなるほど、その街は豊かになっていく。周りの街の富を吸い上げて