障子糊が如く

ネクロマンサー27

ネクロマンサー27

後日、羅刹が率いる街の騎士隊の生き残りが壊滅した街を調査したが、生き残っている者はおろか、その死骸も発見することは出来なかった。 

生きてはいないだろうが、死骸の一部でも発見できれば他の街に住む『死霊使い』の『死人返り』で蘇生が可能だ。そう考えて、羅刹は丹念に街の瓦礫の山を捜索したのだが……彼の親友の死骸は無かった……

……死骸がなければ、『死人返り』も出来ない……

父は周りの人々の為に、犠牲になり、母は自分を救う為にその命を投げ打った。

そんな二人の生き様が月夜のその後の人生に大きく影響した。

自分の『死人返り』で、死んだ人々と最愛の人を失い絶望に打ちひしがれた人々を救えないだろうか、と独力で『死人返り』の訓練をした。

その感情には自分の最愛の両親が救えなかったが為に、せめて他の人々の愛する人達だけでも、という思いがあった。

故に彼女は『死人返り』を行使する。

……その結果、自分の命を削る事になっても……

昔を思い出してもどうしようもない。今はアシュタルのことだ。

彼の苦しみを自分では癒してはあげられないだろうが、それでも今の彼をただ見ている事は耐えられることではなかった。

(羅刹さんなら何かアドバイスしてくれるかも)

月夜は天井を見上げながらそう思い付いて、ベッドから起き上がった。